役不足(やくぶそく)とは、「役目が実力不相応に軽いこと」「与えられた役目に満足しないこと」という意味になります。
簡単な例にすると、プロ野球選手が少年野球の助っ人で試合に出場するようなものです。
イチロー選手が少年野球の助っ人として試合に出るなんて、あきらかに役目が軽すぎて不相応ですよね。 このような状況を、「役不足である」と表現できます。
このページでは、「役不足」について意味・使い方・例文・語源・類語をわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください♪
ちなみに役不足とは、かなり間違った意味で使われている言葉になります。 多くの人は、役不足を実力不足であるという勘違いをしているため、誤用に注意してください!!
「役不足」の意味
読み方は、「やくぶそく(役不足)」
- 役目が実力不相応に軽いこと
- 与えられた役目に満足しないこと
簡単にいうならば、「超人気のお笑い芸人であるダウンタウンの2人がひな壇に座っている」ような状況です。
芸能界でもトップクラスに実力のある芸人が、若手とひな壇でいっしょにガヤを飛ばしているのは、あきらかに本人たちの実力に対して、役目が軽すぎますよね。
本来であれば、司会者でトークを回す立ち位置にいるべきの役者であるはず。
「役不足(やくぶそく)」の意味は、与えられた役目が実力不相応に軽いことです。
「役不足」は間違いやすい言葉
実は、「役不足」という言葉は、日本人の大半が勘違いをしたまま使っている言葉です。 大半の人は役不足を、「実力不足」という意味が理解してしまっているのです。
文化庁が国語に関する世論調査で2012年に発表したデータによると、日本人の大半が「役不足⇒実力不足」と勘違いしているという結果がでました。
役不足は「実力不足」と間違った認識が広まっている
正しくは、役不足とは「与えられた役目が実力不相応に軽いこと」である
誤用しないように、正しい意味をしっかり覚えておくのが大切です!! 以下のような状況は、「役不足」をイメージしやすいかと思います。
- ファミマの会長が店舗でレジで接客をする
- イチロー選手が少年野球の助っ人になる
- 明石家さんまがひな壇でガヤを飛ばす
- 旬の人気俳優がセリフなしのちょい役でドラマ出演
このような状況は、あきらかに本人の実力に対して役目が軽すぎますよね。 このようなさまを役不足であるといいます。
決して、「実力が不足している」という意味はないため誤用に注意しましょう。
「役者不足」とは
役不足と似ている言葉で、「役者不足(やくしゃぶそく)」というものがあります。
役者不足とは、単純に「役不足」という言葉を間違って使っているか、もしくは「役者の数が足りていない」という状況であると考えられます。
おそらくは、誤用である可能性が高いです。
「役不足」の語源と由来
役不足の語源は、演劇や舞台などの俳優が与えられた役目に不満を持つことから由来しています。
転じて、役目が実力に見合っていないほど軽いときに、
「役不足である」と表現するようになった。
俳優がじぶんの実力以下の役目を与えられて、
不満を言い出したことから由来して、「役不足」という表現が生まれたという説がある。
「役不足」の使い方
使い方としては、「役目が軽すぎること」もしくは、「与えられた役目に満足しないこと」という状況で使われます。
「役不足」の例文
それでは例文をご紹介します。
- 若手とはいえAさんは経験があるため、平社員というのはあきらかに役不足である。
- 会社で与えられている業務はあまりにも簡単すぎるため役不足であると上司に不満を訴えた。
- あの大物俳優がテレビでぞんざいな扱いをされており、役不足であると感じてしまった。
- 彼女の最終学歴は有名大学を卒業しているのにバイトをしているなんて役不足にもほどがある。
- 接客が得意なBさんを裏方の調理に回すのは役不足でもったいない。
このように、与えられたポジションが実力に対して軽すぎたり、役目に不満を抱くような状況で使うことができます。
「役不足」の類語
役不足の類語、似ている意味を持つ慣用句をご紹介します。
- 朝飯前
- 簡単すぎる
- 不完全燃焼
- 快く思わない
- 満ち足りていない
- 不十分である
- パンチに欠ける
- 物足りない
- 満足はしていない
「役不足」の対義語
役不足の対義語、意味が反対の言葉をご紹介します。
- 力不足
- 難しい
- 荷が重い
- 大役すぎる
- 不適任である
- 技能不足
- 器じゃない
- 顔じゃない
- 経験不足
対義語は、「力不足」です。
以下は、対義語である「力不足」を使った例文になります。
「役不足」の英語表現
役不足を英文だと、「be worthy of a better role」と表現することができます。 意味は、「 be worthy of a better role(もっと良い役に値する)」となります。
日常会話で英語を使う機会であれば、ぜひお試しください。
まとめ
それではおさらいしていきます!
- 意味は、「役目が実力不相応に軽いこと」
- 語源は、俳優が与えられた役目に満足しないことに由来
- 類語は「朝飯前」「簡単すぎる」
- 対義語は「力不足」
- 役不足は誤用されやすい日本語として有名
- 英語では「be worthy of a better role」
それでは以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!! あなたの1日が素敵な日になりますように。