海千山千(うみせんやません)とは、長い年月にさまざまな経験を積んで、世の中の裏も表も知り尽くしていて、悪賢いこと。また、そういうしたたかな人という意味があります。
このページでは、海千山千の意味、使い方、読み方、類語、例文などをわかりやすく解説しております!
ちなみに、似ている言葉として「百戦錬磨」という四字熟語があります。 百戦錬磨(ひゃくせんれんま)は目上の人間に使っても失礼にはなりませんが、海千山千は相手に使うと失礼になります。
その理由は、「ずる賢い」というネガティブな意味を含んでいるからです。
そちらについても、わかりやすく解説しているので参考にしてください♪
海千山千の意味
読み方は、「うみせんやません」 よくある間違いとして、「かいせんさんせん」がある。
【意味】長い年月にさまざまな経験を積んで、世の中の裏も表も知り尽くしていて、悪賢いこと。また、そういうしたたかな人
- 社長は海千山千の人間である
- 上司は海千山千のベテラン営業マンだ
海千山千の説明を見てわかるように、世の中の裏表を知り尽くしており悪賢いという意味があるため、褒め言葉ではありません。 目上や相手を褒めるときに使う言葉としては、失礼になってしまうのでご注意ください。
したたかの意味を解説!使い方と例文もわかりやすく説明します!
海千山千の使い方
海千山千という四字熟語を使うときは、「相手の実力を認めた上で使用する」とトラブルになりにくいです。 しかし、褒め言葉ではないため、相手に直接使うのは控えたほうがいいでしょう。
例えば、以下のような使い方であれば誰も傷つけることなく、利用できます。
僕らの上司は海千山千で、やや強引な所もあるけどやっぱり営業マンとしての手腕は一流だよ
このように、褒めてはいないけど相手の実力を認めているときの比喩として利用することができます。
何度もいいますが、相手に敬意を示すときに使う四字熟語ではないため、誤用しないようにご注意ください!
海千山千の語源
「海千山千」の語源は、中国の故事から由来している四字熟語です。
海に千年、山に千年を省略した四字熟語が、「海千山千」である。
中国の故事では、海に千年、山に千年棲みついた蛇(へび)は、竜になるという言い伝えがある
このような言い伝えから、由来して海千山千という言葉が使われるようになりました。
海に千年、山に千年棲み着いた蛇のように、世の中の裏表を知り、さまざまな経験を積んでいる人のことを「あの人は、海千山千だ」という表現をします。
海千山千の例文
例文をいくつかご紹介します。
- お祭り屋台の店主は海千山千の人物が多いので注意しなくてはいけない
- ビジネスでは海千山千の人間はゴロゴロいるから油断大敵である
- 海千山千の女性はしたたかであり欲に忠実だ
- 海千山千の口上手だから信じすぎるのは危険だよ
- あの人は海千山千だから付き合うのは諸刃の剣だよ
- 海千山千の詐欺師は厚顔無恥で本当に危険である
- 上司に海千山千ですねといって怒られてしまった
- バイキンマンは海千山千の要注意人物だ
「バイキンマンは海千山千だから注意しなくてはいけない」という例文は、意味がすごくイメージしやすいですよね。 相手の実力を認めつつ、しっかり悪賢いさまを表現しているので、決して褒め言葉ではないことがわかります。
海千山千は目上に相手に使わない
海千山千は褒め言葉ではなく、敬語でもないため目上の相手には使わないでください。 敬意を示す言葉としては、不適切なため、相手を不愉快にしてしまう可能性があります。
ちなみに、海千山千には「したたかなさま」という意味がありますが、「したたか」という言葉自体は「強く屈しないたくましさ」を意味しているため、けして悪口ではありません。
しかし、世間一般では「したたかな女性」といえば悪そうなイメージが先行していますよね(汗)
したたかの意味を解説!使い方と例文もわかりやすく説明します!
日本語には、ネガティブで否定的な意味はないけど、本来とは別のイメージが定着している言葉もあるため、目上の相手には十分注意して使うべきです。
少なくとも、海千山千は褒め言葉ではないので、リスペクトを送るときの言葉として誤用しないようにお気をつけください。
海千山千の類語
類語をご紹介します。
- したたか
⇒強く屈せず、一筋縄では行かないさま - 悪代官⇒
不正を働いたりした代官 - ヒール役
⇒悪役 - 狡猾(こうかつ)
⇒悪賢いこと - ずる賢い
⇒悪知恵が働くこと - 曲者(くせもの)
⇒ひとくせある人物 - 腹黒い
⇒心がねじけて、よからぬたくらみがある
ちなみに、海千山千を「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」とう意味で使っている人がたまにいますが、意味は違うのでご注意ください。 百戦錬磨の意味は、「数々の戦いによって経験を積み、鍛え上げられること」です。
海千山千から「ずる賢い」というネガティブな要素を取り除いた四字熟語が、「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」です!