こんにちは!! 漢検1級にチャレンジ中のタオルです♪ 漢字やことわざが大好きなわたしが、「うだつが上がらない」という慣用句の意味や使い方を徹底的にまとめました!!
先に重要な情報だけをご紹介しておくと・・・・
「うだつが上がらない」とは、「地位や生活などがよくならないこと。」という意味があります。
別の表現に言い換えるならば、「ぱっとしない」「金銭面に困っている」というネガティブな意味合いがある。
このページでは、「うだつが上がらない」の意味・使い方・例文・類語をわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね♪
ちなみに、語源は2つあります。 どちらも「建築」にまつわる説なのですが、「柱」と「防火壁」という2つの諸説があり、どちらも有力であるため、両方ともご紹介しております。
すぐに読める目次
「うだつが上がらない」の意味
- 地位や生活などがよくならないこと。
- ぱっとしない
- 出世できない
- 金銭面で困っているなどの意味合いも含まれる。
- (例)Aさんは独立起業をしたがうだつが上がらない様子だった。
意味は、地位や生活がよくならないこと。悪い状況であることを表現する慣用句です。
表記は3タイプある「卯建」「梲」「宇立」
実は、「うだつが上がらない」の「うだつ」は漢字がいくつもあります。 どれも間違いではないため、混乱しないようにそれぞれの違いをわかりやすく比較してみました!!
- 梲(うだつ)⇒日本家屋の防火壁のこと。
- 卯建
⇒意味は同じだが、室町以降は当て字としてこの表記になった。 - 宇立
⇒意味は同じだが、室町以降は当て字としてこの表記になった。
実は3つとも込められている意味は、「「うだつが上がらない」の語源になっている、「家の屋根に取り付けられる防火壁」のこと。
室町時代ころから、「卯建(うだち)」「宇立(うだつ)」という読み方や当て字が一般的となった。
漢字、ひらがらどの表記でも問題ない
「うだつが上がらない」の語源1「柱」
1つめの説は、家を建てるときの「柱(はしら)」を「うだつ」と呼んでおり、この柱である「うだつ」が別の骨組みにつかわれている木材に上から押し付けられている様子から、転じて生まれたという説がある。
柱のうだつが上げられない、または、「うだつ(柱)」がない家にしか住めないという、地位や生活がよくならない様子に使われるようになったと考えられる。
「うだつが上がらない」の語源2「防火壁」
2つめの説は、「日本家屋の屋根にとりつけられる防火壁」から由来しているというもの。
今から数百年前は、消防車もなく火事になれば街全体が焼けてしまう大惨事となるのが一般的だった。
木造建築ばかりで、今よりずっと火に弱い建物があたりまえの時代だった。
その当時に、屋根に防火壁(火の延焼を防ぐための壁)を設置している家はいわゆるお金持ちであることの象徴だった。
家を建築するだけでお金がかかるのに、さらに防火対策までできるというのは限られたお金持ちの特権だった。
この防火壁のことを「うだつ」といい、転じて「うだち」という表現が生まれたという説がある。
「うだつが上がらない」の使い方
使い方は以下のようになる。
- 謙遜
- 自虐
- 悪口、陰口
- 自分の経済状況を伝えるとき
基本的に、使いあkたとしてはこのような形となる。
「うだつが上がらない」の例文
例文をご紹介します。
- Aさんはうだつが上がらないと言っているが実はすごく儲けているのを知っている。
- 私の会社の社長は、売上が落ちているときも「うだつが上がらいけど諦めるわけにはいかない!」と前向きである。
- 独立起業をして儲かってはいるが、周囲には謙遜してうだつが上がらないと言うようにしている。
- どうやらあそこの会社は「うだつが上がらなくて」かなり困窮しているらしいと、近所のおばさま達が噂していた。
- うだつが上がらないと嘆くよりも、今できる行動を全力でやることが最善の策である。
使い方としてはこのようになる。
「うだつが上がらない」は目上の相手に使える?
結論からいってしまうと、問題はありません。 しかし、敬語ではないため敬意を示すことはできません。
さらに、ネガティブな意味合いがあるため、使い方によっては相手の気分を害してしまうためご注意ください。
年齢関係なく、対面で相手のことを「うだつが上がらないね」という言い方は避けたほうが無難です。
「うだつが上がる」は誤用
「うだつが上がらない」という表現は正しいのですが、反対の「うだつが上がる」という表現は存在しないため間違いです。
出世をしたり、経済的に成功することを「うだつが上がる」「うだつが上がった」とは言わないので誤用しないようにご注意ください。
「うだつが上がる」という表現は存在しない。
「うだつが上がらない」の類語
類語をご紹介します。
- 伸び悩む
⇒上手くいきそうで思うようにいかない様子。 - 鳴かず飛ばす
⇒活躍することなく過ごしている状態。 - 甲斐性がない
⇒経済力がない。 - 頼りにならない
⇒安心して任せることができない様子。 - 一向に芽が出ない
⇒時間は経てど停滞したままのこと。 - 三下(さんした)
⇒下っ端の人間。
類語には、「頼りにならない・経済力がない・安心できない」というネガティブな慣用句が多くならんでいる。 類語をチェックすることで、「うだつが上がらない」という言葉の意味をさらに深く理解できれば幸いです。
「うだつが上がらない」の対義語
国語辞典による正式な対義語はありませんが、意味が反対となる言葉をご紹介します。
ポイントは、「経済力がある・甲斐性がある・安心できる」という意味がある言葉をピックアップしてみました!!
- 面倒見がいい⇒気が利く、相手のことを気遣いできる。
- 有能である⇒才能がある。
- 頼もしい⇒頼りにできて心強いこと。
- 富む⇒豊かであり財産が多い。
- 立身出世⇒社会的に地位や名声を得ること。
- 出世頭⇒最も早く出世した人。
反対の意味に近い慣用句は、どれも豊かであり安心感の強いものが多いですね。 男であれ、女であれ、社会人であれば甲斐性があり、人の役に立てる人間でありたいというのは、誰もが共通していますよね!!
「うだつが上がらない」の英語
「うだつが上がらない」という言葉は日本ならではの慣用句のため、英語圏でも意味が伝わる英文をご紹介します。
「That guy doesn’t seem to get ahead in the world.(あの人はどうもうだつが上がらないね)」
「うだつが上がらない」の中国語
中国語では、「抬不起头来」と表現します。
「那样人一辈子也翻不了身(あんな男は一生うだつが上がらない)」という女性目線からみた、毒っけのある中国語表現もあるため、ぜひ参考にしてください。笑
まとめ
- 意味は「地位や生活などがよくならないこと。」
- 語源は「建築の柱」と「屋根の防火壁」に由来
- 漢字は「卯建」「梲」「宇立」ありどれも正解。
- 「うだつが上がる」は誤用
- 類語は「鳴かず飛ばす」
- 反対語「立身出世」「出世頭」
- 中国語「抬不起头来」
以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!! あなたの1日が素敵な日になりますように。