天狗になるとは、「いい気になり自慢すること。」という意味があります。
わかりやすく表現するならば、うぬぼれている状態ですね。 このような様子を「あの人は天狗だ」と表現することができます。
このページでは、「天狗になる」の意味・使い方・由来・例文・類語・対義語をわかりやすく徹底的にまとめました!!
ちなみに、天狗(てんぐ)とは空想上の怪物ですがその正体についてもくわしく解説しているので合わせて参考にしてください♪
すぐに読める目次
「天狗になる」の意味
読み方は、「天狗になる(てんぐになる)」
- いい気になり自慢すること。
- うぬぼれること
- (例)Aさんは褒められるとすぐに天狗になる。
天狗になるとは、いい気分になって自慢をしたり、うぬぼれて調子にのるという意味がある慣用句です。 天狗(てんぐ)とは日本の空想上の怪物であり、鬼やカッパとおなじような存在である。
自惚れる(うぬぼれる)とは、自分のことを優れていると思い得意げになること。
「天狗になる」の由来
天狗は中国では、「天の狗(いぬ)」として「天狗」と表現されていました。 その理由は、中国では流星や彗星の形が、「犬やきつね」に似ていることから由来して、「天狗(てんぐ)」と呼ばれていた。
そして、日本では、奥深い山に生息している空想上の妖怪や、山などで起きる不思議なことを天狗の仕業であると考えられていました。
ちなみに平安時代(1000年以上前)には、天狗の住む世界は「天狗道」と言われており放漫な僧(聖職者)が死んだあとに転生する魔界であると言われた。
このことから、力のない僧がいい気になって自慢をしたり、堕落してしまった者は天狗の世界に落ちていくと考えられていた。
「天狗(てんぐ)」とは?
天狗(てんぐ)とは、怪物、妖怪、神様など空想上のキャラクターです。
天狗の特徴としては・・・
- 鼻が長い
- 顔が赤い
- 翼があり空を飛ぶ
- 高下駄を履いている
- 山伏(やまぶし)のような格好
- 神通力がある
- 羽団扇を持っている
- 下駄を履いている
このような特徴を持っているのが日本型の天狗である。 しかし、日本にも数種類の天狗のイメージがあり、鼻が長いパターンだったり、鼻がトンガッているタイプもある。
「天狗になる」の使い方
使い方としては以下のようになります。
- いい気分になってうぬぼれている相手に使う
- 戒めとして自分に使う
大きく分けると2パターンがあります。 その違いは、相手に対して使うか、自分に使うかです。
「天狗になる」の例文
例文をご紹介します。
- 僕は仕事がちょっと軌道に乗ると天狗になって油断するくせがある。
- 天狗になる人はコンプレックスが強いひとである。
- 成功しても天狗にならない人は人間として美しい。
- 上司は天狗になるとすぐに過去の武勇伝を話し出すクセがある。
- 彼女は酒を飲みはじめると天狗になる傾向がある。
- 天狗にならないように謙虚に行動していきたい。
使い方としてはこのようになります。 どちらにせよ、「天狗になる」という慣用句にはネガティブな意味合いが含まれているため、良い意味としては使われません。
「天狗にならないように気をつける」という戒めとしてはポジティブな意味で使うことができますが、他人に対して使うときは批判的な表現になることが多い。
「天狗になる」は目上の相手に使える?
「天狗になる」は敬語ではないため、目上の相手に使ったとしても、敬意を示すことはできません。
戒め(いましめ)の言葉としては使用可能。
(例)天狗にならぬように心がけます。
このように自戒の念を込めて「天狗にならないように心がけます」という表現であれば、相手を否定しているわけではないため、応用可能です。
「天狗になる」の類語
類語をご紹介します。
- 有頂天になる
- 増長する
- 上機嫌になる
- 得意になる
- すっかりその気になる
- 気持ちが浮つく
- うわの空になる
類語をチェックしてみると、「天狗になる」という表現がより深くイメージできますよね。
有頂天(うちょうてん)とは、「上手くいったことで喜びで夢中になっていること」という意味があります。 別の言い方とすれば、「あの人は有頂天になっている」という表現も可能。
意味が似ている慣用句に、「現を抜かす(うつつをぬかす)」という表現があります。
類語「うつつをぬかす」の意味
「うつつをぬかす」とは、物事に心を奪われて夢中になっている状態です。 別の表現に言い換えるならば、「夢中」「熱中」となる。
こちらは天狗になるとは違い、ポジティブな意味として使われる慣用句です。
より詳しい解説は、こちらの記事が参考になります。⇒【うつつを抜かすの意味は?】語源・由来・例文をわかりやすく解説
「天狗になる」の対義語
対義語は「謙虚になる」です。
- 自分を偉いと思わず、素直に他から学ぶ気持ちがあること。
- (例)彼は謙虚に学び行動ができる人間である。
謙虚(けんきょ)とは、姿勢に対して使われる言葉です。 相手に対しての礼儀だけではなく、生き方だったり行動そのものに対しても使われる。
例えば、表面だけではていねいで明るい雰囲気であっても、実際に言われたことを素直にやらない人間であれば謙虚とはいえません。 謙虚(けんきょ)とは行動そのものに対して使われることが多い。
「天狗になる」の英語表現
英語で表現するならば、「He’s full of himself(彼は天狗になっている)」という英文になります。
英語圏ではテングの存在が一般的ではないため、「full of himself(うぬぼれる)」という表現を使っております。
英語圏で、「てんぐ」と言っても伝わらないので注意が必要です。
もうちょっと具体的な英文にすると、「He has a big ego.(彼は調子にのっている)」と表現することもできる。 どの英語も日常会話でつかえるフレーズなので、覚えておくと便利です!!
「天狗になる」の中国語
中国語では、「鼻孔朝天」と表現することができます。
この4文字にこめられている意味は、「鼻の穴が上を向く」というもの。 孔とは鼻孔のことであり、朝天とは上を向くという意味が込められている。
まとめ
それではおさらいしていきます!
- 意味は、いい気になり自慢したり自惚れること。
- 天狗は中国では「天の狗(てんのいぬ)」と呼ばれていた。
- 日本では神通力がある空想上の怪物として広まった。
- テングは鼻が高く赤ら顔という特徴がある。
- 使い方はネガティブな意味合いで使用される。
- 戒めとして使われることもある。
- 類語は「有頂天になる」
- 対義語は「謙虚になる」
- 英語は「He’s full of himself」
- 中国語は「鼻孔朝天」
以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!! あなたの1日が素敵な日になりますように。