棚からぼたもちとは、「思いがけない幸運が舞い込むこと」という意味があることわざです。
つまり「想定外のラッキー」ということになります。
ことわざの元となっているエピソードは、「寝ていたら神棚からぼたもちが口の中に落っこちてきた」というもの。笑
実話なのか、作り話なのかはわかりませんが、すごくおもしろいエピソードですよね(^O^)b
このページでは、「棚からぼたもち」の意味・使い方・例文・類語・対義語をわかりやすく徹底的にまとめたので、ぜひ参考にしてください!!
ちなみに、牡丹餅(ぼたもち)とはもち米で作られたおはぎのことなのですが、春夏秋冬によって呼び名が変わることを知っていましたか? 豆知識もあわせて紹介しているので、チェックしてください。
すぐに読める目次
「棚からぼたもち」の意味
- 思いがけない幸運が舞い込むこと。
- 苦労せずよいものを得ることのたとえ。
- 略して「たなぼた」と表現することもある。
意味としては、予期していない幸運が巡りこんでくることです。 別の言葉に言い換えるならば、「ラッキー」という表現になる。
例えば、日常での「たなぼた経験」は以下のようなものになる。
色々ありますが、共通しているのは「苦労せず幸運が舞い込むこと」です。 つまり、偶然ともいえるラッキーが起きたときに、「棚からぼたもちだね」と表現することができる。
「棚からぼたもち」の由来
残念ながら、由来や語源となっている定説はみつかりませんでした。
しかし、ことわざの成り立ちとしては、以下のような情報がありました。
寝ている男の口に、棚から落っこちた牡丹餅(おはぎ)が口に入ってきた。
寝ているだけなのに、ぼたもちが口に転がり入ってくる幸運から、転じて生まれたことわざとされている。
神棚(かみだな)にお供えしてあった牡丹餅(ぼたもち)が、口に中に入ってくるという本当かわからないエピソードが元になっているようです。 ただし、定説ではないため、作り話だったり、トンチバナシから派生した可能性もある。
砂糖は上流階級が薬用として使っていた
実は、砂糖は中国から伝わってきた825年頃は、とんでもない貴重品でした。 最初は食用ではなく、薬用として上流階級のみが手にできるとてつもない価値のある調味料だったのです。
現在ではスーパーで数百円も出せば1キロくらいのお砂糖が買えてしまいますよね。
重要な輸入品として扱われていた砂糖は、江戸時代初期に琉球(沖縄)で作られ始めましたが、まだまだ庶民にとっては高級品であり、気軽にたべられるものではなかった。
ちなみに、1952年の終戦後も砂糖不足になり、当時は食糧難であり、砂糖は非常に貴重だったという歴史があります。
ちなみに、「ぼたもち」は季節によって呼び名(名前)が変わることをごぞんじでしたか? 春夏秋冬によって呼び方が変わるため、一覧でご紹介します。
- 春⇒牡丹餅(ぼたもち)
- 夏⇒夜船(よふね)
- 秋⇒御萩(おはぎ)
- 冬⇒北窓(きたまど)
- 4つとも、もち米とうるち米を混ぜ合わせた同じ食べ物である。
「棚からぼたもち」の使い方
使い方としては、思いがけない幸運が舞い込んだとき・苦労せずに良いものを得たときに使うことができる。
「棚からぼたもち」の例文
例文をご紹介します。
- はじめてのラーメン屋さんで炒飯と餃子をサービスしてもらった。棚ぼたのおかげでお腹いっぱいだ。
- 正月に久しぶりにいとこに会ったらお年玉をくれた。思わぬ棚ぼたにビックリした。
- 僕は運が良いタイプなのか知らないけど、人生で何度も棚から牡丹餅を経験している。
- 人気のある寿司屋さんに予約なしで来店できたのは、完全なる棚ぼただった。
「予想外の」「思ってもいなかった」「突然の幸運」「苦労もしていないのにラッキーなことが起きた」⇒このような状況をたなからぼたもちと表現することができます。
非常に縁起が良く、身に起こるとうれしいことわざですよね。
「棚からぼたもち」の間違った使い方
間違っている使い方は、「予想内」「想定内」という状態で使うときです。
予想通りに棚ぼたが起こった
やっぱり棚ぼたになった
このように予想していたのであれば、思いがけない(想定外)という意味合いが含まれていないため、間違ったことわざの使い方となります。 あくまでも、予想の範疇を超えているときに起こった幸運に対して使います。
正しくは、「予想外」「想定外」で起きる幸運が「棚からぼたもち」
「棚からぼたもち」の類語
- 開いた口へ牡丹餅(あいたくちへぼたもち)
- 寝ていて餅
- 鰯網で鯨を捕る(いわしあみでくじらをとる)
- 漁夫の利(ぎょふのり)
- 風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)
- 鴨が葱を背負って来る(かもがねぎしょってくる)
- 勿怪の幸い(もっけのさいわい)
「海老で鯛を釣る」は類語のことわざであるようにも思えますが、厳密にいうと違います。 その理由は、「海老で鯛を釣る」は小さな労力で大きな結果を得るという意味なので、少しは苦労していることになる。
それに対して、棚からぼたもちは「労せず」という何もしていない状態を指しています。
「海老で鯛を釣る」はローリスクハイリターン。「棚からぼたもち」はノーリスクハイリターンと表現できます!!
類語「開いた口へ牡丹餅」
こちらは、棚からぼたもちの別の言い方をしたことわざです。 どちらも使い方、込められている意味は同じです。
「漁夫の利」の意味
つまり、横取りをすること。 自分はほとんど苦労もせず、利益だけおいしいとこ取るをすることわざです。
例えば、アフリカで2匹のライオンが1匹のシマウマを狙っていたとします。 しかし、途中から来たキリンに獲物を横取りされるようなイメージです。
実は、ライオンはアフリカで最強の動物だとおもわれているのですが、意外と天敵も多いのです。 体の大きな動物の群れなどに囲まれてしまうと、すぐに逃げ出すこともある。
苦労せず利益が得られるという点が、「棚からぼたもち」と共通している要素です。
「鴨が葱を背負って来る」良いことが重なり好都合なこと
鴨が葱を背負って来るというありえない光景ではありますが、好都合なことが重なるという意味合いを上手に表現したことわです。 ポケモンでは、「カモネギ」というモンスターが登場しているので、馴染み深いことわざかもしれません。
棚からぼたもちと同様に、思わぬ形でラッキーが訪れるという点が共通している。
「棚からぼたもち」の対義語
対義語は以下のことわざになります。
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)
意味⇒危険を冒さなければ、大きな成功は得られないこと。 - 棚から牡丹餅は落ちてこない
意味⇒思いがけない幸運は舞い込んでこないということ。 - 蒔かぬ種は生えぬ
意味⇒努力せずにいい結果は出ないというたとえ。
対義語には、なにかしらの対価(行動)があってこそ、結果を得られるという意味合いが含まれていることわざが多い。 特に、「蒔かぬ種は生えぬ」という当たり前といえば、あたりまえですが、学び取れることは多い言葉です。
ラッキーを望むよりも、自らの手で掴み取るくらいの覚悟ではないと、幸運は訪れないという、戒めの言葉でもある。
「棚からぼたもち」の中国語
中国語では、「天下掉下馅饼来」と表現します。
日本語のことわざと違う点は、空から落ちてくること。 棚の上にぼたもちがあれば、落っこちてくる可能性はゼロではないけれど、空からぼたもちが降ってくる可能性は極めて低い。
日本語のことわざよりも、さらに確率の低い意味合いになっている。
まとめ
それではおさらいしていきます!
- 意味は、思いがけない幸運が舞い込むこと。
- 語源に定説はない。
- 砂糖は貴重品であり、上流階級が薬用に使っていた。
- ぼたもちは四季によって名前が変わる。
- 「たなぼた」は予想外という意味合いが含まれる。
- 類語「漁夫の利」「鴨が葱を背負って来る」
- 対義語「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
- 中国語「天下掉下馅饼来」
以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!! あなたの1日が素敵な日になりますように♪