「雌雄を決する」の意味
読み方は、「しゆうをけっする」
- 【意味】戦って勝敗を決める、決着をつける
(例)巨人と阪神が雌雄を決する日がきた
(例)W杯の決勝で日本とアメリカが雌雄を決する
意味としては、「戦って勝敗を決める」というものになります。 難しい言葉ではありますが、意味はすごくシンプルでわかりやすいですよね!
スポーツやあらゆる争い事で使うことができる汎用性の高いことわざです。
格闘技の生中継では、実況のアナウンサーが、「さあ、いよいよ雌雄を決するときがやって参りました!!」と興奮気味に実況するシーンを目にしたことがあるかもしれません。
「雌雄を決する」の語源
語源をご紹介します。
「雌雄を決する」の「雌雄(しゆう)」とは「雌(メス)」と「雄(オス」という漢字がつかわれています。
動物などの自然界では、メスよりもオスのほうが戦闘能力が高く、
「雌雄を決する」とは戦って勝敗を決めるという意味なので、「オスとメス」という漢字が使われていると考えられている。
自然界では、メスとオスが戦えばどちらが「オス」かハッキリするという意味が込められている
実際に、オオカミやシロクマなどは、同じ家族だとしてもオスにメスが食い殺されてしまうようなこともあるほど、力量の差があります。
そしてこの自然界の法則をもとに、「雌雄を決する」と表現したのは、中国に「項羽(こうう)」という武将です。 項羽の言葉が、「雌雄を決する」の語源になっていると考えられる。
項羽という武将は、「願わくは漢王との戦いを挑み、雌雄を決せん」という言葉を残しました。
この言葉の意味は、「漢王(劉邦)と戦って、勝敗をつけたい」というもの。
雌雄を決するとは、「男尊女卑」や「男女差別」という意味ではなく、あくまでも自然界の掟に例えられることです。 人間の男女どちらに優劣があるという意味ではないので、ご注意ください。
私の個人的な見解としては、「男には男ならではの強み」「女には女ならではの強み」があると考えているため、優劣をキッパリつけるのは愚かな考えだと認識しております(¯―¯)
「雌雄を決する」の使い方
雌雄を決するは日常のあらゆる場面で使うことができる言葉です。 とくに、「戦って白黒ハッキリさせたい」という状況にぴったりのことわざです。
どちらが強い・弱いだけでなく、決着(物事の最終状態)をつけるという意味もあるため、バトル以外でも使えます
「雌雄を決する」の例文
例文をご紹介します。
- 甲子園の優勝を決めるため、両校があした甲子園球場で雌雄を決する
- 「巨人vs阪神戦」は雌雄を決する白熱した試合になるため観戦チケットが入手しづらくなる
- 今日は、大相撲の横綱同士が優勝をかけて雌雄を決する取組になるだろう
- 格闘家がリングの上で雌雄を決するときの静かな緊張感がたまらない
- いよいよ雌雄を決して世界一を決める最高峰の舞台が用意された
「ここぞ!」「大一番」という場面で使われる言葉なので、すごく緊張感のあることわざでもありますね。 嵐の前の静けさをイメージさせるかのような、静まり返った独特の緊張感をかんじとれます。
「雌雄を決する」の類語
類語をご紹介します。
- 勝敗を決める
- 白黒はっきりさせる
- 争いに決着を付ける
- 終止符を打つ
- ピリオドを打つ
- 頂上決戦
- けりをつける
- 精算する
- ハッキリさせる
- 決勝戦
- 勝負の時
- 天王山
- 天下分け目の大戦
どの類語も少年漫画に使われそうな熱い言葉が並んでいますよね!
「雌雄を決する」の英語表現
英語で表現すると、「have a showdown」「showdown」と表現することができます。
まとめ
「雌雄をけっする」の語源は、中国の書物である「史記」に由来しています。 司馬遷(しばせん)という人が紀元前にのこした歴史がとても深い書物です!
ちなみに、私たちに馴染みのある「文武両道」という四字熟語も「史記」が語源になっているのです。
くわしい説明はこちらの記事が参考になります。
⇒【文武両道の意味】使い方や語源を例文を使ってかんたんに解説!
それでは、おさらいしていきます!