この記事では、「にわか」の本当の意味や使い方、語源をわかりやすく解説しています! そして、なぜネットでは「にわかファン」という言葉が使われているのか、その定義などをくわしく説明していきます。
ちなみに、漢字で書くと「俄(にわか)」となります。 語源は今から300年以上前の江戸時代にさかのぼります。
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「にわか」とは?意味を解説
- 物事が急に起こるさま
- 突然
- 一時的に
にわかとは、「突然」や「一時的に」という意味があります。 漢字で書くと「俄」となります。 一般的には、「にわかに○○」という使われ方をします。
「にわか」の語源は俄狂言
語源は、江戸時代までさかのぼります。
江戸時代から〜明治時代にかけて、路上で突然はじまる狂言(喜劇)を「俄狂言(にわかきょうげん)」と言った。
「にわかに始まる」という意味で使われており、日本中で「俄狂言」がおこなわれていた。
地域や場所によって、「にわかきょうげん」の呼び名が異なっていました。 具体的には以下のような形になります。
- 屋外→流し俄(ながしにわか)
- 座敷→座敷俄(ざしきにわか)
- 大阪俄(おおわかにわか)
- 博多俄(はかたにわか)
このような違いがあります。 そして、時代が進みにつれて、路上でおこなっていた俄狂言は職業へと変化していきます。 路上から寄席(よせ)などで演じるようになりました。
「にわか雨」は短時間で止む一過性の雨

「にわか雨」という言葉をテレビのお天気ニュースで聞いたことがあるかもしれません。 意味は、「短時間で止む、一過性(いっかせい)の雨」のこと。
急に降り出して、すぐに止む雨のことです。
「にわかには信じがたい」の意味
「にわかには信じがたい」とは、「突然言われたことに対して信じられない」という意味になります。 わかりやすく表現するならば、「すぐには信じられない」ということ。
「にわか」には突然という意味があるため、「俄+信じられない」という言葉が組み合わさったものになる。
ネット用語「にわかファン」の意味
「にわか」という言葉の意味をたっぷり解説してきましたが、そこから派生して生まれたのが「にわかファン」という言葉。
- それまで興味がなかったのに、突然ファンだと公言する人。
つまり、知識や経験もなく興味もないくせにファンのふりをしている人のことを「ニワカファン」と言います。 別の言い方にするならば、「知ったかぶり」「勉強不足」「聞きかじり」などの表現がある。
そもそも「ファン」ってなんて意味?
ファンとは、愛好家(あいこうか)のことです。 特定の分野や人物に情熱を注ぎ続けている人のことです。
ファンでもないのに、突然ファンだと公言するような人のことを「にわかファン」と言ったり、自虐や謙遜として、「僕はまだまだにわかなので・・」という使い方もする。
「にわかファン」の特徴
謙遜、自虐どちらにせよ良い意味では使われる言葉ではないため、人に対して使うフレーズではない。
「にわかファン」と「ミーハー」の違い
「にわかファン」と「ミーハー」はすごく似ている言葉ですが、定義は違います。
- 「にわかファン」→それまで興味がなかったのに、突然ファンだと公言する人。
- 「ミーハー」→それまで興味がなかったのに、流行や話題なものに熱中する人。
ミーハーには、「流行に乗る」という意味がふくまれている。 令和の現在では、「ミーハー」はほぼ死語となっている。
「にわかファン」は2019年の新語・流行語大賞
「にわかファン」という言葉はネットを中心に2000年代ころから使われていました。 しかし、最近ではネット利用者がスマホによって急増したこともあり、多くの世代に使われるようになりました。
2019年にはユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされました。 結果は残念ながらトップ10には入りませんでした。
「にわか」「にわかファン」を使った文章
例文をご紹介します。
- 友達に流行りのアーティストが好きだと言ったら、「にわかファンだろ」と言われてしまった。
- 誰でも最初はニワカである。
- 「にわかファン」とバカにする人は攻撃的な性格だ。
- 芸能人には漫画のにわかファンが多いという噂がある。
- あの大物経営者が亡くなったなんてにわかには信じがたい。
- 僕の彼女はミーハーであり、有名なものにすぐ食いつくニワカである。
「にわか」の類語
- 急に
- 出し抜け
- 突如(とつじょ)
- 不意(ふい)
- 唐突(とうとつ)
「にわかファン」の類語
- 聞きかじり
- にわか仕込み
- 付け焼き刃
- 知ったかぶり
- 浅学(せんがく)
- 勉強不足
- 知的怠慢(ちてきたいまん)
- 知的不誠実
- 素人
- 新参(しんざん)
1.類語「付け焼き刃」の意味
2.類語「知ったかぶり」は知っているふりのこと
「にわかファン」と「知ったかぶり」は類語であり、意味も非常に似ていますが、違いは「愛好家(ファン)」であるか、そうでないかです。
「にわかファン」は突然なにかしらのファンだといい始める人のことですが、「知ったかぶり」には愛好家という意味合いは含まれていません。
イメージ的には、にわかよりも更にイメージが悪いのが「知ったかぶりをする人」です。 相手より優位に立ちたい人や、マウントを取りたいプライドの高い人がやりがちな行為です。
3.類語「新参」は新入りという意味
新参者(しんざんもの)という言葉を目にしたことがあるかも、しれません。 新参(しんざん)は、にわかファンの類語ですが、煽りワードや自虐ワードの意味合いはありません。
「にわかファン」の対義語
- コアなファン
- ガチファン
- ガチ勢
- 古参(こさん)
- 熱烈なサポーター
- 熱狂的なファン
- 大ファン
- 信者
「ニワカファン」の反対は、「コアなファン」となります。 「コアなファン」とは、ファンとして強い情熱を長期間注ぎ続けている人のことです。
イメージしやすいのが、「20年間の矢沢永吉のおっかけ」「AKBがまだテレビに出ていないころから劇場に通っているオタク」というのが、コアなファンの一例。
「にわかファン」の英語表現
じつは英語にも「にわかファン」を表現する言葉があるのです。
bandwagon fan(バンドワゴンファン)
バンドワゴンファンとは、流行に乗る人のことをさします。 流行り物に飛びつくが、まだまだ知識や経験が浅いため、日本語にするならば、「にわか」もしくは「ミーハー」とおなじ意味です。
にわかファンを表す英語の「bandwagon fan(バンドワゴンファン)」は、一般的な乗り物の車のことではありません。
おもに、サーカスやパレードを先導するワゴン車のことです。
「にわか」「にわかファン」のまとめ
ここまで、たっぷりと違いや意味を解説してきましたが、どちらにせよ誰しもが最初はにわかなので、ファン同士で争ったり、煽りあったりするのは本末転倒ですよね(笑)
というわけで、おさらいしていきましょう!
それでは以上になります。 最後までごていねいにお読みいただきありがとうございました。 あなたの1日がステキな日になりますように。