二の足を踏む(にのあしをふむ)という言葉の意味をごぞんじですか?
二の足を踏むとは、「ためらうこと・思いきれずに尻込みすること」という意味があります。 このページでは、「二の足を踏む」の意味・使い方・類語・対義語・例文をわかりやすく徹底的にまとめました!
似ている表現に、「同じ轍を踏む」「地団駄を踏む」「二の舞を踏む」というものがあります。 これらの意味や違いもわかりやすく解説したので、ぜひ参考にしてください♪
すぐに読める目次
「二の足を踏む」の意味
- ためらうこと。
- 思いきれずに尻込みすること。
意味としては、決断をできずにためらうことです。 一歩目は進みながら二歩目はためらって足踏みするという様子から転じて生まれた慣用句です。(諸説あり)
ちなみに、「ためらう」「尻込みする」の意味は↓
二の足を踏むとは、思いきれずにためらい尻込みをしているという状態なので、日常会話では基本的にネガティブな使い方をします。
このような使い方をすることができます。(以下例文)
- 緊張する場面で二の足を踏みたくなる気持ちはわかる。
- 人生は短い。だから二の足を踏むのは無駄だ!
- 好きな人にLINEを送ろうとメッセージを打ったけど送信できずに二の足を踏んでいる。
「二の足を踏む」の語源
語源となっている説は2つあります。 それぞれ有力な説になるため、2つともあわせてご紹介します。
1つめの語源は、2歩目を踏み出せない様子から転じて生まれたという説。
「二の足(にのあし)」とは、2歩目のことであり、その2歩目が出ないという意味で、「二の足を踏む」という言葉になっている。
人が躊躇(ちゅうちょ)して尻込みしている動きが語源となっていると考えられている。
2つめの語源は、武士が鞘(さや)から刀を抜く仕草から由来しているという説。
刀の鞘には、足金物(あしがなもの)という金具の部位があります。 2つあるのですが、「一の足」「二の足」という名前がついている。
武士が刀を抜くことをためらっている様子から転じたという説がある。
「二の足を踏む」の使い方
使い方は、「ためらっているとき」「尻込みしている状態」「思いきれずに迷っているとき」という状況で使うことができます。
「二の足を踏む」の例文
- 新しいiPhoneがほしいけど価格をみて二の足を踏む。
- 二の足を踏むのはいいけど、いつかは行動しないといけない。
- 収入面に不安があり新しいことに挑戦できず二の足を踏んでいる。
- 私は緊張しいだから、ちょっとしたことで二の足を踏みいつもスタートが遅くなってしまう。
恋愛、ビジネス、日常生活などで幅広くつかえる慣用句です。 「足踏みをしている状態」「迷って決断できずにいる状態」などに使えるので、ぜひ覚えておいてください!
「二の舞を踏む」は間違い
正しくは、二の舞を演じる
二の足を踏むとすごく勘違いされやすい表現として、「二の舞を踏む」というものがあります。 こちらは、間違いないので使わないようにしてください。
正しくは、「二の舞を踏む」ではなく、「二の舞を演じる」です。
そもそも、別の言葉として存在しているため混同しないように注意しなくてはいけません。
二の舞を演じる(にのまいをえんじる)とは、「前の人と同じ失敗を繰り返すこと」
語源は舞楽(ぶがく)から由来している。
☓二の舞を踏む
◯二の舞を演じる
以下は例文になります。
- 二の舞を演じるないように気を引き締める。
- 反省点をしっかり意識すれば二の舞を演じずに済むはずだ。
「同じ轍を踏む」は似ているけど意味は別
二の轍を踏むは誤用
「同じ轍を踏む(おなじてつをふむ)」は、「二の足を踏む」と非常に見た目が似ている慣用句ではありますが、意味はまったくの別物です。
先人が失敗した同じ失敗を繰り返すこと
二の足を踏むは、ためらって決断できない様子のことなので、意味はぜんぜん違うことがわかります。 どちらかといえば、「同じ轍を踏む」と「二の舞を演じる」はすごく意味が似ています。
ちなみに、「轍(てつ)」とは「轍(わだち)」のことです。 前の車が通り過ぎたあとの車輪のあと。 状況によっては、車輪そのものを「轍(わだち)」と表現することもある。
別の意味としては、「先例(以前にあった例)」という意味がある。
同じ轍を踏むとは、「過去の先例(失敗)を繰り返してしまう」という意味で使われるため、語源をしっておけば使うときに迷わなくてすみます。
以下は例文になります。
- 受験に失敗した兄と同じ轍を踏まないようにこころがけた。
- 優秀な人ほど失敗経験を糧に、同じ轍を踏まないように徹底できる。
「地団駄を踏む」は悔しがること
地団駄を踏む(じだんだをふむ)とは、悔しがったり怒りの感情から地面を激しく踏む動作のことです。
「二の足を踏む」とは同じ「踏む」という表現をしていますが、意味はまったくの別物。
悔しさや怒りから地面をおもいっきり踏みつける仕草を、地団駄を踏むという。
語源は日本古来の製鉄法である「たたら製鉄」から由来している。
語源は「たたら製鉄」です。 なんじゃそりゃ!?と思うかもしれませんが、ジブリのもののけ姫でも登場しているくらい、実は馴染みのあるものです。
もののけ姫に登場する「タタラバ」という場所は、「たたら製鉄」をしている工場のこと。 ジブリの映画では、女性たちが必死になって床を踏みつけているが、まさに「たたら製鉄」をしている現場になります。

以下は例文になります。
- 彼女に電話でフラれてしまい地団駄を踏んでしまった。
- デパートで子供がおもちゃを欲しがり地団駄を踏んでいる。
「二の足を踏む」と似ている言葉のまとめ
ここまで、二の足を踏むと見た目がすごく似ている慣用句をいくつかご紹介したので、最後にひと目で違いがわかるようにまとめました。
- 二の足を踏む⇒「ためらうこと、決断できずに迷うこと」
- 二の舞を演じる⇒「前の人と同じ失敗を繰り返すこと」
- 同じ轍を踏む⇒「先人が失敗した同じ失敗を繰り返すこと」
- 地団駄を踏む⇒「感情の高ぶりから地面を踏みつけること」
「二の足を踏む」の類語
類語である、慣用句・四字熟語をご紹介します。
- 躊躇逡巡(ちゅうちょしゅんじゅん)
- 躊躇う(ためらう)
- 尻込みする
- 迷って動けない
- 逡巡する(しゅんじゅんする)
意味⇒尻込みのこと。 - 愚図愚図する
意味⇒のろのろしている様子 - 戸惑う
意味⇒どう対処してよいかわからなずまごつくこと。
それぞれ意味をご紹介します。
1.類語「躊躇逡巡」の意味
すごくむずかしい四字熟語ですが、意味はすごくカンタンです。 ためらってぐずぐずしている様子のことなので、思い切って踏み出せない様子や、尻込みをして行動が遅いときなどに使うことができる。
躊躇(ちゅうちょ)はためらうという意味
逡巡(しゅんじゅん)は尻込みという意味
2.類語「尻込みする」の意味
別の言い方にするならば、弱気になって行動できない様子ともいえる。 たとえば、ビビってしまい尻込みをしてしまったという使い方もできます。
「二の足を踏む」の対義語
辞書に載っている正式な対義語はありません。
意味が正反対となる、「テキパキと行動できる」というポジティブな四字熟語や慣用句はたくさんあるため、紹介させていただきます。
座右の銘などにつかわれるくらいポジティブで人気のある言葉たちです。
- 大胆不敵(だいたんふてき)
意味⇒度胸があり恐れ知らず。 - 猪突猛進(ちょとつもうしん)
意味⇒目標に向かって向こう見ずに突き進むこと。 - 勇往邁進(ゆうおうまいしん)
意味⇒恐れることなく、自分の目標に向かって突き進むこと。 - 電光石火(せんこうせっか)
意味⇒を打ったときに出る火のように動きが非常に素早いたとえ。 - 迅速果敢(じんそくかかん)
意味⇒素早く物事を処理して、勇気を持ち決断する。 - 即断即決(そくだんそっけつ)
意味⇒瞬時にその場で決めること。 - 獅子奮迅(ししふんじん)
意味⇒ライオンが奮い立って猛進するような勢い
「二の足を踏む」の英語表現
英語では、「hesitate(ためらう)」という単語があります。
「二の足を踏む」の中国語表現
中国語では、「裹足不前」と表現します。 ぜひ参考にしてください!
まとめ
それではおさらいしていきます!
以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!! あなたの1日が素敵な日になりますように♪