「年季が入る(ねんきがはいる)」とは、「長い間、修練を積んで確かな腕をしている」または「道具などが長く使い込まれている、老朽化している」という意味があります。
「年季が入る」について、意味・使い方・例文・類語・英語表現などをわかりやすく1ページで解説しました!
たった1度読めば、一生役に立つ知識をたったの2分でマスターすることができます。 ぜひ参考にしてください♪
すぐに読める目次
年季が入るの意味
読み方は、「ねんきがはいる」 よくある間違いとして「年期が入る」は誤用である。
- 【意味】長い間、修練を積んで確かな腕をしている
- 【意味】道具などが長く使い込まれている、老朽化している
(例)祖母の料理は年季が入っておりとても美味しい
(例)職人の年季が入った技術は言葉では表せないほど深みがある
意味としては、「長期間、修練(精神・技術などを磨き鍛え上げる)を積み、確かな腕をしている」ということです。
職人さん、その道のプロフェッショナル、経験値が深く技術のレベルが高い様子などにつかわれます。
また、道具などが長く使い込まれていることを「年季が入る」と表現されることもあります。
- 年季の入った包丁
- 年季が入った仕事道具
- 年季がはいった釣り竿
「年季が入る」と「古い」の違い
「年季が入る」と「古い」の違いをご紹介します。
- 【年季が入る】⇒「長い間、修練を積んで確かな腕をしている」「道具などが長く使い込まれている、老朽化している」
- 【古い】⇒ 現れてから長い時間が経っているのこと
このように意味は違います。 年季が入るとは、「長く使い込まれて老朽化している」という意味は含まれておりますが、「古い」という概念はないため同じ意味ではありません。
ちなみに老朽化とは、「使い古したりして役に立たなくなること」です。 古いは使わなくても、存在している時間が長ければ長いほど「古い」と表現することができます
本来の意味はそれぞれ多少ことなりますが、比喩として「年季が入る」を古いと表現されることがあります!
あくまでも、「年季が入る」とは「長く使われることで古くなっていく」という意味であることを覚えておいてください。
年季が入るの使い方
年季が入るの使い方は、「モノ、人、建造物」などあらゆる対象に使用可能です!
- このタンスは祖母が80年前に嫁入り道具として授かったので年季が入っている
- 僕が小学校から使っている定規は年季が入っている
物に対して使うときは、「長く使い込まれいる、または老朽化している」という場合に使うことができます。
- 年季が入った寿司職人の握る寿司は、カウンターに置いた瞬間にほんのわずかシャリが沈む
- 年季が入っているピアニストの演奏を鑑賞して、言葉には表せない感動を味わった
人に対して使うときは、「修練を積み、卓越している技術を褒め称える」というときにピッタリの表現です。
- 僕の母校は創立100周年を迎える年季が入った建物である
- 年季が入り趣のある旅館は滞在するだけで癒やされる
「年季が入る」の例文
「年季が入る」を使った例文をご紹介します。
- 職場にいるベテラン社員の仕事は、若者のようにスピード感はないけれど、年季が入った働きっぷりは誰よりも安定感がある
- 年季が入った料理人の包丁さばきは見ているだけで流れるように美しい動きをしている
- 年季が入るほど昔からこの地域に建っている郵便局は今年で開局150周年になる
- JRの運転手は卓越した知識と年季が入った運転技術で今日も安全に人々を支えている
- 職人の年季が入った仕事の背景には、圧倒的な苦労と努力が隠されているはずだ
「年季が入る」の類語
類語をご紹介します!
- 円熟(えんじゅく)
「意味」十分に熟達して、ゆたかな中身をもつに至ること - 熟成する
「意味」成熟して十分なころあいに達すること - 味が出る
「意味」味わい深いさま - 時代を帯びる
「意味」道具などが長い年月を経て独特の雰囲気を持つようになること - 風格が出る
「意味」品格や独特のおもむきが感じられるさま
類語を比較してみると、どの言葉も「ある一定の水準に達すること、至ること」という意味が共通していますね!
「年季が入る」も長い修練を積み、確かな腕をしていることなので、類語をチェックしてみると、より言葉の理解度が深まるとおもいます(¯―¯)b
「年季が入る」の対義語・反対語
対義語、反対語をご紹介します。
- 尻が青い
「意味」未熟で一人前ではないさま - 初心者
「意味」何かをするのが初めて、もしくはその経験が浅い人のこと - 青二才
「意味」経験の浅い年若い男 - くちばしが黄色い
「意味」年が若くて経験が浅い
【青二才の意味】由来や使い方をわかりやすく説明します【例文あり】
ちなみに、「年季が浅い」「年季が低い」と表現するのは間違いなのでご注意ください。
「年季(ねんき)」の語源
年季の語源をご紹介します。
江戸時代以前には、お手伝いなどをする召使いを「奉公人(ほうこうにん)」と呼びました。
この奉公人の雇うときに決められた年限(期間)を「年季(ねんき)」と表現しておりました。
年季という言葉には、「奉公人が働く期間」という意味もあります。
年季奉公(ねんきぼうこう)とも呼ばれた
現在でいうならば、会社がアルバイトスタッフを1年間という期間限定で募集するという意味に非常に似ております。 バイトであれば、「雇用期間(こようきかん)」などと呼ばれますが、当時は「年季(ねんき)」と表現されておりました!
「年季が入る」の「入る」の意味
「年季が入る」の「入る」とは、「今日から夏休みに入る」「来週に学校が終わり長期休暇に入る」というような表現と同じです!
入るとは、「外から中に入る」という意味がある
わかりやすい言葉で表現をするならば、「夏休み突入!」「夏休みスタート!」と言い換えることもできます。
つまり年季が入るとは、「長いあいだ、修練を積んで確かな腕をしている」という状態にのみ使えるということです。
「あと5年で年季が入る」とか、「まだ年季が入っていない」とは一般的には使われません。 別の言葉で、未熟者、修行中などといい例えられることがある。
「年季が入る」は目上の相手に使っても大丈夫?
基本的には、目上の人間に対して「◯◯さんは年季がいらっしゃいますね」と使うことはありません。 日本語としては間違いではありませんが、褒め称えたり、敬意を示したいときには、もっと直接的な表現を使ったほうが伝わりやすいです。
人によっては、「年季が入る」を古びた時代遅れな存在と意味を勘違いしているケースもあります。
日本人が全員言葉の正しい意味を知っているわけではないため、
わかりやすい表現を採用するほうが無難です
上司や年上の尊敬している人物を褒め称えたり、敬意を表したいときは以下の例文を参考にしてください。
- ◯◯さんはお料理がお上手でいらっしゃいますね。
- ◯◯さんは言語にも造詣が深いのですね
- ◯◯さんの経験値の深さには脱帽いたします
- 〇〇さんはこの分野に対する教養の深さに敬服いたします
相手に失礼なく、マナー違反にならない褒め方をしたいときはぜひ参考にしてください! ちょっと年上の間柄には、このようなかしこまった表現は少しかたくなってしまうので、最低限の敬語であれば問題ありません(¯―¯)b
「年季が入る」の英語表現
モノに対して使うときの英語は、「wear out」「well used」と表現することができます。
経験を積む、修練を積むという英語は「to become experienced」と表現することが可能です。