ことわざの意味

「情けは人のためならず」の意味と使い方をわかりやすく解説【例文あり】

情けは人のためならず」ということわざは、日本人の5割が誤用していることをご存知でしたか?

文化庁のデータによると、若者を中心に5割くらいは意味を間違ったまま覚えてしまっているとのこと。

情けは人のためならず」とは、「情けは人のためだけではなく、いずれめぐりめぐって、自分に恩恵が返ってくることから、誰にでも親切にせよ」 という意味があります

簡単にいうならば、「人に親切にすることは、相手のためではなく、自分のためでもある」ということ。 なぜなら、めぐりまぐって良いことが自分に返ってくるかもしれないからこそ、人には親切にしようねという意味合いが込められています!!

このページでは、「情けは人のためならず」の意味・使い方・例文・類語・対義語をわかりやすく徹底的にまとめました!!

1度読めば、あなたが一生使える教養をたったの2分でマスターすることができます♪

漢検準1級を持っているブログ運営者が、わかりやすさと正確さを重視で解説していきます(^O^)b

「情けは人のためならず」の意味

情けは人のためならず」の意味
  • 情けは人のためだけではなく、いずれめぐりめぐって、自分に恩恵が返ってくることから、誰にでも親切にせよという意味。
  • 情け(なさけ)とは、人間味のある心、他人を労る心。

情けは人のためにならず」という日本語のことわざは、誰にでも親切にすれば、それが自分に巡って返ってくるのだから人のためにではなく、自分のために親切にしようね。という意味があります。

人としてすごく当たり前だけれど、非常に重要なおしえが詰まっていることわざですね!!

かつては、「情けは人の為ならず めぐりめぐって己が為」という使い方をされていたけれど、日常会話として使用するには長すぎるため、「情けは人の為ならず」と短くカットされたと考えられている。

全文をカットされたことが原因によって、ことわざの意味を誤解されるようになったという説もある。

「情け」の意味は?「情けは人の為ならず」の語源と類語を紹介!

「情けは人の為ならず」は日本人の5割が誤用していることわざ

実は、文化庁の統計によると日本人の5割くらいはことわざの意味を間違ったまま解釈しているというデータがあります。

どういうことかといいますと、「情けは人の為ならず」ということわざの意味を、「情けをかけるのはその人のためにはならないから、厳しくしたほうが良い」という誤解をしているのです。

タオルちゃん
タオルちゃん
僕も、他人には厳しくしないとその人のためにならないという意味かと思っていたよ..
トリ
トリ
実は正反対で、むしろ自分に返ってくるからこそ優しく親切にしましょうという意味が込められているんだよ♪

情けは人の為にならないから、厳しくするべきである

誰にでも親切にすると、その行為が巡り巡って自分に恩恵が返ってくるかもしれないから、自分のためになる

「ならず」とは「ではない」という意味

多くの人は、「情けは人のためならず」の「ならず」を「その人のためにはならない」という意味で誤解しています。 正しくは、”人のためではなく、自分のため”という意味合いがある。

「ならず」とは古語である。
「古語(こご)」とは昔使われていた現代では意味が通じなかったり、使用されない言葉、表現のこと。

「情けは人のためならず」の語源

実は、ハッキリとした語源は存在していません。 歴史などに基づいた定説がはっきりしていないため、いくつかの諸説があります。

その中でも、もっとも信頼度が高い語源は、「曽我物語(そがものがたり)」という軍記物の書物。

曽我物語(そがものがたり)が語源となっている説をわかりやすく解説します。

曽我物語は、誰が書いたのかはわかっておりません。
1285年頃には、曽我物語の原型となった話があったと言われている。

内容は、「仇討ち(あだうち)」のストーリーであり、
その中に、「情けは人の為ならず、無骨の所へ参りたり、又こそ参らめ」という文章が登場する。

ここから転じて、現在のことわざとして使われるようになったのではないかと言われている。  ちなみに、曽我物語は10〜12巻の長編であり、江戸時代には「歌舞伎・浄瑠璃・浮世絵」などの題材になり、庶民に愛される作品となった。

トリ
トリ
今から約800年前の物語だと思うとすごく歴史を感じるよね
タオルちゃん
タオルちゃん
まさかそこまで歴史が深いとは思ってもいなかったよ

「情けは人のためならず」の使い方

使い方は、「情けをかけることは、自分のためになるから、誰にでも親切にしよう」という意味でつかいます。

タオルちゃん
タオルちゃん
使い方を例文でチェックしてみよう

「情けは人の為ならず」の例文

例文をご紹介します。

「情けは人の為ならず」の例文
  • 情けは人の為ならずというからこそ、誰にでも優しく接するようにしている。
  • 私の会社の上司は、「情けは人のためにならず」を心得ている素晴らしい人間であり、社内の部下から尊敬されている人物である。
  • 僕は街で困っている人がいたら、とりあえず声をかけるようにしている。なぜなら、情けは人の為ならず自分のためにもなるからだ。
  • 私が積極的にボランティアに参加するようになった理由は、「情けは人の為ならず めぐりめぐって己が為」ということわざを知っているからである。

難しいことわざに思えるかもしれませんが、意外と日常会話でサクッと使える場面が多い。 なにかを行動するときのきっかけとしても背中を押してくれる言葉になるため、非常に汎用性が高い。

私も、募金をするときはこのことわざを頭をよぎるため、とりあえず募金をするという決断をしています。

トリ
トリ
人が助け合うための合言葉にもなるし、すごく合理的なことわざだね!!

「情けは人のためならず」の類語

意味が似ていることわざ、慣用句、四字熟語をご紹介します。

「情けは人のためならず」の類語
  • 因果応報(いんがおうほう)
    意味⇒人に良い行いをすれば良い報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあること。
  • 善因善果(ぜんいんぜんか)
    意味⇒良いことをすればそれがもととなり、必ず良い報いがあること。
  • 思えば思わるる
    意味⇒自分が相手に好意をもてば、相手も好意を持ってくれること。
  • 人を思うは身を思う
    意味⇒他人に情けをかければ、報いが返ってきて、自分のためになること。
  • 積善の家に余慶あり(せきぜんのいえにはよけいあり)
    意味⇒徳や善行を積み重ねた家には、良いことが必ず起こり幸福になること。

類語にはこのような言葉があります。 どれも、「情けは人のためならず」と意味が非常に似ており、自分が良いことをすれば、良いことが返ってきて、結果的に自分のためになる。 というもの。

こういった四字熟語やことわざをたくさん知っておけば、良い行動をしたくなるし、他人にも親切をしようという気持ちが芽生えますよね♪

それぞれの類語をもう少し深堀りしていきます。

類語 「因果応報」の意味

「因果応報(いんがおうほう)の意味は、人に良い行いをすれば良い報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあること。

使い方としては、悪いことをしている人が罰が当たったときなどに、「因果応報だね」という表現をしたりする。 逆のパターンもあり、良い積み重ねをしている人が幸せになることを、「因果応報だね」と表現する。

この四字熟語そのものに、良い意味も悪い意味もなく、原因と結果を表していることばである。

類語 「善因善果」の意味

「善因善果(ぜんいんぜんが)の意味は、良いことをすればそれがもととなり、必ず良い報いがあること。

この四字熟語は、仏教のことばです。

良い報いは、良い行いをするから生ずるという仏教の教えをもとにした四字熟語となる。 人間にとっては必要であり、すごく学びの多いすばらしい言葉である。

タオルちゃん
タオルちゃん
人に親切にしたくなる四字熟語だにゃ〜

「情けは人の為ならず」の対義語

意味が反対となる対義語をご紹介します。 また、意味が反対となることわざや四字熟語もあわせてご紹介します。

「情けは人の為ならず」の対義語
  • 悪因悪果(あくいんあっか)
  • 身から出た錆(みからでたさび)
  • 情けも過ぐれば仇となる(なさけもすぐればあだとなる)
  • 恩を仇で返す(おんをあだでかえす)
  • 情けが仇
  • 慈悲が仇となる

対義語となる言葉は、「悪い行いをすれば、悪い行いとなって返ってくる」というものが多い。 また、「情けをかけたことによって、感謝するどころからさらに害を加えてくる」というおそろしい表現もある。

それぞれの対義語について、もうすこし深堀りをしていきます!!

対義語 「悪因悪果(あくいんあっか)」の意味

「悪因悪果(あくいんあっか)」の意味は、悪い行いをすればそれが原因となり、悪い結果が起こること

こちらは仏教の教えをもとにした四字熟語です。 「あなたが悪いことをすれば、それが原因となり、悪いできごと起こりますよ」という意味。

善因善果(ぜんいんぜんが)という、逆の意味になる四字熟語もあり、あなたはどちらを選びますか? どちらを選んだほうが良い人生を歩めると思いますか?という問いかけをされているとも考えられる。

こういった対義語を踏まえてあらためて、「情けは人のためならず」ということわざを考えてみると、すごく大切な学びが隠されているということがわかります。

対義語 「身から出た錆」の意味

「身から出た錆」の意味は、自分の行いで苦しい思いをすること

語源となっているのは、刀の刀身(とうしん)からです。 刀のお手入れを怠り、刀身にサビが生えてしまい後悔することか転じて、使われるようになったことわざ。

刀というのは、サビてしまうと使い物にならなかったり、貴重品である刀をいとも簡単に失ってしまう原因となる。

「恩を仇で返す(おんをあだでかえす)」の意味

「恩を仇で返す」の意味は、身に受けた恩に感謝するどころか、かえって害を加えること

非常におそろしい慣用句ですよね。 よかれと思って情けをかけたら、倍返しをされてしまったという状態。 世の中は、善人ばかりではないからこそ、時にはこういった戒めとなる言葉も知っておくと役立つかもしれません。

そして、私たちは「情けは人の為ならず」を心得て素晴らしい行いを積み重ねていきましょう。

「情けは人の為ならず」の英語

英語で表現をするならば、「Charity is a good investment.(慈善行為は良い投資となる)」とい英文があります。

「情けは人の為ならず」ということわざはアメリカにはないため、「良い行いは自分のためになる」という意味合いをフォローした英文をご紹介しました。

その他には、「Kindness is never wasted.(親切がムダになることは決してない)」という英語表現もあります。

「Kindness(カインドネス)」とは、「思いやりのある」という意味合いがり、英会話でよく使われる表現となる。

「情けは人の為ならず」の中国語

中国語(簡体字)では、「為自己積陰德」と表現することができます。 ぜひ参考にしてください♪

まとめ

「情けは人のためならず・・・」ということわざは、むちゃくちゃ大事な意味があり、すごく勇気の出る内容でしたね!! 意味を正しく理解しているだけで、人の性格や行動にまで良い影響を与えてくれそうな素敵なことわざです。

歳を重ねても、慢心せずに大切にしていきたいなとおもいました(^O^)b

それではおさらいしていきます!

  • 意味は「情けは人のためだけではなく、いずれめぐりめぐって、自分に恩恵が返ってくることから、誰にでも親切にせよ」
  • 語源は鎌倉時代の曽我物語という説がある。(諸説あり)
  • 日本人の5割が誤用していることわざ。
  • 「情け」とは「人間味のある心」「他人を労る心」
  • 「情けない」とは思いやりがないこと。
  • 「情け無用」とは情けをかける必要がないこと。
  • 類語は「因果応報」「善因善果」
  • 対義語は「身から出た錆」「悪因悪果」
  • 英語表現「Kindness is never wasted.」
  • 中国語表現「為自己積陰德」

以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!! あなたの1日が素敵な日になりますように♪