「無い袖は振れない」とは、「実際に無いものはどうしようもない」という意味です。
この言葉は日本の着物文化が関係していることをご存知でしょうか? このページでは、言葉の意味を、由来、語源、例文などを使ってわかりやすく解説をしております!!
あなたが生きている限りずっと使える知識をたったの2分でマスターできるようにまとめたので、ぜひご覧ください♪
ちなみに、「お金と着物」にすご〜く密着している言葉なので、ぜひ語源を知っておいてくださいね。
無い袖は振れないの意味
読み方は、「ないそではふれない」
【意味】ないものは出せない
実際に無いものはどうしようもないという例え。
言葉の意味通り、「そでがないのに(そで)を触れてと言われても不可能である」という状態。
よく漫画やアニメで借金取りに追われている登場人物が、「無い袖は振れないぜ・・」というセリフを言ったりしますよね。
無い袖は振れないの語源と由来
「無い袖は振れない」の語源は、着物文化に由来しています。
☆着物の袂(たもと)はこの部分です!!
日本人の着物には、「袂(たもと)」と呼ばれるそでの膨らみの部分に、財布や、小銭(金)を入れて持ち歩くことがありました。
しかし、袖(そで)がなければお金も入れられないため、無い袖は触れないという言葉が生まれたという説が有力です。
財布を着物の袖に入れていた時代が長かったので、「袖=お財布(もしくはお金)」という意味で使われています。
ちなみに、着物にはそれぞれ部位に名称があり、すべて合わせると数十にも及ぶほど細かくきまっております。 それぞれの部位にまつわる言葉や意味があるので、すごく奥深さを感じました(^O^)b
「無い袖は振れない」の使い方
着物の袂(たもと)にお金を入れて持ち歩いていた風習から由来している言葉なので、「お金がない」という状況のときに使う言葉です。
手ぶらで近所を散歩しているときに、見知らぬ人から募金を頼まれたとしても、「無い袖は触れないよ」と断った
このように、お金にまつわる状況において使うのが正しいです。
「袂(たもと)を分かつ」という言葉がありますが、この言葉も着物の袂が語源になっています。
「袂を分かつ」とは行動を共にした人と関係を断つ、分かれるという意味があります。
使い方としては、男女関係に使われることが多い。
無い袖は振れないを使った例文
例文をいくつかご紹介します。 例文を読むことで、「ない袖はふれない」という言葉の意味をすんなり理解することができるので、参考にしてください♪
見知らぬ人から募金をせがまれたが無い袖は振れないと伝えた
どれだけ感情的にお願いをされても、無い袖は触れません
申し訳ないが援助したい意思はあるけど無い袖はふれない。
無い袖は触れないという言い訳をするよりも、行動して解決したほうがマシである
いくら催促されたとしても無い袖は振れぬ
基本的には、「お金」にまつわる会話で使われることばです。 ですので、あまり良いイメージで使うというよりも、「断ったり」「否定・拒否」をする瞬間に使用することが多い。
日本人の着物文化に由来している言葉なので、海外では馴染みのないフレーズですよね。 きっと、日本語を勉強中の外国人にはすこし理解がむずかしい表現になるとおもいます。
無い袖は振れないの類語
いくつかの類語、慣用句、ことわざをご紹介します。
一文無し、すっからかん、金欠、すかんぴん、路頭に迷う、お金がない、無銭、貧しい、天を仰ぐ、困窮
鼻血も出ないという言葉があるのですが、「無い袖は振れない」とほぼ同じ意味で、「これ以上は何も出ない(出せない)」というもの。 これ以上中身がないですよ〜という表現になるため、お金以外の会話でもつかえるフレーズです。
まとめ
「無い袖は振れない…」 人生では自分で使いたい言葉ではないですよね(笑) まわりの大切な人が大変な目にあっていたら、資金的な援助はしてあげたいし、振れるかぎりの袖は振れるような人間でありたいとおもいます。
それにしても、和服の袖からこういった抽象的な表現が生まれるというのは本当に言葉っておもしろいですよね!!
日本人ならではというか、文化を感じとれる素晴らしいフレーズだとおもいます。
着物が由来となっている言葉に、「足が出る」というものがあります。 そちらの意味は「【足が出る】なぜ足なのか意味を解説!語源や例文もあわせて紹介!」で解説をしているので、ぜひチェックしてください♪
ちなみに、中国では「どれだけ秀才でもお米がなければご飯はたけない」ということわざがあります(笑) これも、まさに「無いものは出せない」という意味なので、それぞれの国にも似ている言葉はあるようです。 由来や成り立ちを調べていくことで、その国の文化や歴史を学べるのがすごくおもしろいとおもいました!!
それでは、以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました♪