「石橋を叩いて渡る」とは、「壊れるはずのない石橋をいちおう叩いて、安全性を確かめて渡ることから、用心しすぎるほど用心深くなることのたとえ」という意味があります。
「石橋を叩いて渡る」の意味や使い方、例文、類語、語源などをわかりやすくまとめました!
ちなみに、日本に「石橋(石造りの橋)」が誕生したのは今から何年前かご存知でしょうか? ・・・答えは、江戸時代初期の約400年前です!
すぐに読める目次
石橋を叩いて渡るの意味
読み方は、「いしばしをたたいてわたる」
- 【意味】壊れるはずのない石橋をいちおう叩いて、安全性を確かめて渡ることから、用心しすぎるほど用心深くなることのたとえ
- 慎重すぎる人や臆病過ぎる人に対して、皮肉をこめて使うこともある
(例文)祖父は「石橋を叩いて渡る」性格なので非常に几帳面でマジメな人物だ
(例文)僕はビビリなので何事も石橋を叩いて渡らないと心配で仕方がない
「石橋を叩いて渡る」とは、用心を重ねるという意味があります。 用心しすぎればさらに用心深くなっていく例えのことわざです。
⇒【準備万端の意味】語源や由来は?【9割の人が誤解している】
石橋を叩いて渡るの使い方
この、ことわざは日常のあらゆる場面で使うことができます。
- 部長は石橋を叩いて渡るのが幸いしてミスはほぼしない
- 部長は石橋を叩いて渡る人なので行動がとにかく遅い
- 部長は石橋を叩いて渡らないと気がすまない人間である
このように、「石橋を叩いて渡る」という表現は、良い意味としても使えるし、悪い意味として使用されることもあります。
「石橋を叩いて渡る」は良い意味・悪い意味がある
ことわざには、良い意味として褒め称えるときに使うこともあれば、皮肉をこめて悪口として使用することもあります。
- Aさんは石橋を叩いて渡るから仕事にミスがない
- Aさんは石橋を叩いて渡るから仕事が遅い
同じAさんでも、「仕事にミスがない」ということを褒めるときにも使えるし、「仕事が遅い」という皮肉で使うこともできます(笑)
本来は、石橋というのは相当な衝撃や致命的な設計ミスがないかぎりは、人間が渡るくらいでは壊れませんよね。
しかし、そういった状況ですら「石橋を叩きながら渡り歩く」という行為をしないと行動できない人へ、皮肉をこめた悪口として使うケースもあります。
「石橋を叩いて渡る」の例文
例文をご紹介します。
「石橋を叩いて渡る」の語源
石橋を叩いて渡るの語源は、文字とおり、「石で作られた橋」が由来になっております。
今ほど技術が発展していない日本では、橋は一般的に木材で作っていました。
木材は劣化したり、大雨の影響で崩壊するデメリットがありますが、石で作られた橋は非常に頑丈でした。
しかし、そのような頑丈な石橋ですら叩いて渡らないと気がすまなほど用心深い人や、臆病な人の例えとして、「石橋を叩いてわたる」ということわざが生まれました
実は、石橋というのは紀元前(今から2000年以上前)から存在していました。 日本には、江戸時代に石橋を造る文化が伝来したといわれています。 (今から約400年前)
日本では400年前までは、橋は木材などで作られていました。 石橋ではなく、木橋の時代だったのです
ちなみに、九州の長崎市の中島川にある「眼鏡橋(めがねばし)」というのが、日本で1番最初に作られた石造りのアーチ橋だそうです。(全長22メートル)
「石橋を叩いて渡る」の類語
類語をご紹介します。
- 気をつける
- 注意する
- 用心する
- 留意する
- 念の為
- 注意を払う
では、似ていることわざをご紹介します。
- 浅い川も深く渡れ
「意味」浅い川も深く渡れとは、ささいなことでも用心せよという戒め - 転ばぬ先の杖(つえ)
「意味」失敗しないように、万が一に備えてあらかじめ十分な準備をしておくことのたとえ - 濡れぬ先の傘
「意味」失敗しないように前もって準備をしておくことのたとえ。 - 念には念を入れる
「意味」用心の上に、さらに用心を重ねよということ - 備えあれば憂いなし
「意味」普段から準備をしておけば、いざというとき何も心配がないということ
用心する、万が一に備えて準備万端整えておくということわざが日本にはたくさんあります。
非常に学びが多く、皮肉としても使える汎用性の高いことわざですね!
⇒【汎用(はんよう)の意味は?】使い方や例文をわかりやすく解説!
石橋を叩いて渡るの対義語・反対語
対義語、反対語となる言葉をご紹介します。
- 猪突猛進(ちょとつもうしん)「意味」目標に向かって向こう見ずに突き進むこと
- 当たって砕けろ「意味」成功するかどうかはわからないが、とにかく思いきってやってみろということ
- 一か八か(いちかばちか)「意味」結果がどう出るかわからないが、運を天にまかせてやってみること。
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず「意味」危険を避けていては、大きな成功も有り得ないということのたとえ。
まさに猪突猛進は、石橋を叩いて渡るとは180度正反対の様子になります。 どちらも一長一短でメリット・デメリットがあります。 あなたは、どちらのタイプですか?
私は、おそらく猪突猛進タイプです(笑)
「石橋を叩いて渡る」は皮肉で使う?
「石橋を叩いて渡る」は皮肉として使われることが多いです。 直接的な文句や悪口はいわないけれど、間接的に皮肉で使用されます。
以下のような、「石橋を叩いて渡る」を使った皮肉がこめられた例文はどこかで目にしたことがあるかもしれません。
- 職場のあの人は石橋を叩いて渡るタイプだから周りが迷惑している
- 石橋を叩いて渡る人は時代に取り残されてゆく
- 石橋を叩いて渡らないと気がすまない◯◯さんは完璧主義でプライドが高い
「危ない橋を渡る」との違い
「危ない橋を渡る」ということわざは、「目標を達成するために、危険な手段をあえて使うことのたとえ」という意味があります。
つまり、「諸刃の剣(もろはのつるぎ)」であるとも言えます。
石橋を叩いて渡るとは、意味がまったく違うことがわかりますよね。 目標達成のためにあえてデメリットがある諸刃の剣を使用するさまになるため、かなりリスキーなことわざとも言えます。
「危ない橋を渡る」の例文をご用意しました。
- 売上を上げるためにルールにギリギリ触れるか触れないかの危ない橋を渡る
- 危ない橋を渡るメリットは強制的に目標達成できること、デメリットは無数にある
- 危ない橋を渡るのではなく、石橋を叩いて渡るくらいに前もって余裕を持つことが大事である
- 危ない橋を渡るというのは追い詰められた人がよく取る手段である
仕事でも人生でも、危ない橋を渡るような状況には、絶対になりたくないですよね(汗)
「石橋を叩いて渡る」の英語表現
英語で表現すると、「being excessively cautious」になります。
まとめ
「石橋を叩いて渡る」とは、良い面でも使われるし、悪い意味でも使われる汎用性の高いことわざです。 とくに仕事に関連するシチュエーションで多用されるため、意味をしっかり理解しておくと便利です(^O^)b
それではおさらいしていきます!
- 意味は、「用心を重ねる」
- 語源は、「石造りの橋」
- 対義語は「一か八か」
- 類語は「浅い川も深く渡れ」
それでは以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!