こんにちは! 漢検準1級に合格をして、現在、1級にチャレンジ中のタオルです♪
このページでは、「針の筵(はりのむしろ)」について、意味・使い方・例文・類語・反対語をわかりやすく解説しました。ぜひ参考にしてくださいね♪
意味は「(周囲の批判や非難などで)ひとときも心の休まらない、つらい境遇や場所などのたとえ。」というもの。
「むしろ」とは、「植物で作った敷物」のことなのです。
つまり、「針のむしろ」とは針で作られた敷物という非常におそろしい表現ということになります。 語源は今から250年前くらいの江戸時代に出版された小説から生まれたことわざです。
豆知識もたっぷり詰め込んでいるので、ぜひ合わせてお読みください♪
すぐに読める目次
「針のむしろ」の意味
漢字で書くと、「針の筵(はりのむしろ)」となる。
- (周囲の批判や非難などで)ひとときも心の休まらない、つらい境遇や場所などのたとえ。
- 筵(むしろ)とは、ワラなどの植物を編んで作った敷物のこと。
- 「針のむしろ」とは、針で作られた敷物にたとえたことわざ。
意味としては、「心が休まらない辛い状況、境遇などにいる」ということであり、あくまでも「針で作られた敷物(むしろ)」というのは、比喩表現である。
つまり、精神的な感情を表現したことわざです。
「針のむしろに座っているかのような辛さ」 と表現することができる。
「針のむしろ」の語源
語源となっているのは、江戸時代(明和8年)に出版された小説(談義本)に登場したことから由来しています。
1771年に、「世間万病回春」というタイトルの出版物が世に出ました。 いわいる小説を書いた作者が比喩表現(ひゆひょうげん)として生み出した慣用句が、現在でもことわざとして使われ続けているということ。
「針のむしろ」の使い方
使い方としては以下のようになる。
- 辛い心情を表現するとき
- 他人からの批判や非難が我慢し難いとき
- 心が休まらず辛い感情を抱えているとき
- 人前にいるとき
「針のむしろ」ということわざは、様々な使い方をすることができます。 基本的には、人前で叱責をされたり、非難や批判をされて非常に辛い心理面をあわらす言葉です。
例えば、「会社のオフィスで社員が大勢いるなかで1人だけ部長に叱られてしまった」とします。 まさに、このときに叱られている社員は、「針のむしろに座るような辛さ」ということになる。
「針のむしろ」の例文
では、いくつか例文をご紹介します!!
- 先生のことを「お母さん」と呼んでしまいクラス全員から爆笑された。針のむしろに座っているような気分だった..
- 私の遅刻により会議が大幅に遅れてしまい、会議中はずっと針のむしろに座る思いだった。
- 同僚とケンカをしてしまい会社へ行っても挨拶もしてくれず、針のむしろである。
- 電車でおならをして、針のむしろに座るような辛さを味わいながら降りる予定のない駅で下車した。
- 社内で業務をサボっていた社員が、同僚たちから無視されるようになった。針のむしろになるのは当然だ。
使い方としてはこのような例文になります。 辛い心理状況や感情をあわらすことわざなので、汎用性が非常に高いです。
それにしても、「針で作られた敷物」というのはイメージするだけで怖いですよね。笑 しかし、人に非難されたり、辛い気持ちになったときを、的確に表現している比喩であることに違いありません。
「針のむしろ」の類語
意味が似ている類語をご紹介します。
- 居場所を失った
- 行き場をなくした
- そわそわしている
- 身の置き場のない
- 立つ瀬がない
- 居心地の悪さを感じる
- 逆境
- 厳しい状況
類語「立つ瀬がない」の意味
立つ瀬がない(たつせがない)
意味は、「自分の立場がなくなること」
瀬(せ)とは、水が浅く歩いて渡れる川のこと。 しかし、何らかの原因によって足元の立つ場所がなくなり、立場や居場所がなくなることを、「立つ瀬がない」と表現する。
類語「逆境(ぎゃっきょう)」の意味
逆境とは、「不運で思うようにならない境遇」という意味がある。
境遇(きょうぐう)とは、めぐりあわせという意味があり、逆境は、「運が悪くめぐり合わせがうまくいっていない」ということになる。
「針のむしろ」の対義語
国語辞典などに記載されている正式な対義語は存在していません。 しかし、意味が反対となる表現はいくつもあるので一部をご紹介します。
- 盤石になる(ばんじゃくになる)
- 有利になる
- 立場が良くなる
- 居場所がある
反対の意味を持つ言葉としては、「状況が良い状態」を表すものが多い。
ちなみに、「盤石(ばんじゃく)」とは、「極めて堅固(けんご)なこと」という意味がある。 「極めて堅固ってなに?」と思われるかもしれないが、頑丈(がんじょう)でしっかりしているということです。
盤石の語源となっているのは、不動明王の座っている金剛石(ダイヤモンドの石)から由来しています。
さらに詳しい豆知識はこちらのページが参考になります。⇒【盤石の意味は?】使い方や語源などを例文をつかって解説!
「針のむしろ」の英語
針の筵は日本語のことわざのため、直訳をした英語はありません。
しかし英語圏には、「bed of thorns(針のベッド)」ということわざがあります。
「辛い境遇」という意味があるため、日本語のことわざと非常に似ています。 日本には布団の文化であり、ゴザなどの敷物が一般的ですよね。
アメリカでは布団ではなくベッドで寝る。 畳などの床に座るのではなく、クツを履いたままソファに座る。
このような文化の違いが、意味がほぼ同じであるが、ことわざに用いられている日用品のたとえが異なるというのはおもしろいですよね!!
「針のむしろ」の中国語
中国語では、「终日操劳」と表現します。 意味は、「1日中ずっと気を使っており心が休まらない状況」というもの。
四六時中気を張っており、辛い心情が伝わっている中国語となる。 ちなみに、「终日」は1日中という意味がある。
まとめ
見た目は難しそうな慣用句ではありますが、日常で使いやすい表現であることがわかったとおもいます。
それではおさらいしていきます!
- 意味は、「一時も心の休まらない辛い場所や境遇のこと」
- 語源は江戸時代の滑稽なストーリーを収録した小説から由来。
- 類語は「逆境」「立つ瀬がない」
- 反対語は「有利になる」「盤石になる」
- 英語は「bed of thorns」
- 中国語は「终日操劳」
以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!! あなたの1日が素敵な日になりますように♪