伝家の宝刀(でんかのほうとう)とは、いざというとき以外は使わない思い切った手段(大辞林)という意味があります。
「伝家の宝刀」について、意味、使い方、例文、語源、類語をわかりやすく1ページにまとめました!
ちなみに、「天下の宝刀」と表現されることがありますが、こちらは間違いなので使わないように注意してくださいね♪
伝家の宝刀の意味
読み方は、「でんかのほうとう」 よくある間違いとして、「天下の宝刀(てんかのほうとう)」がある。
- 【意味】代々家に伝わっている名刀
- 【意味】いざというとき以外は使わない思い切った手段(とっておきの切り札)
(大辞林)
- 野球のピッチャーは伝家の宝刀となる決め球を持っている
- 卒論を完成させるために伝家の宝刀であるネカフェ15時間籠もり乗り切った
伝家の宝刀(でんかのほうと)とは、とっておきの切り札という意味があります。 「ここぞ!」という場面でのみ使う手段になるため、普段は他人に見せたり常用するものではないということです。
例えば、「野球のピッチャーがピンチを乗り切るための変化球」を毎回投げていると、伝家の宝刀とはいえないですよね。 「ここは絶対に打たれてはいけない!」という場面のみ、伝家の宝刀である変化球を使用します。
「いざというとき以外は使わないというのが、伝家の宝刀という言葉のポイントです!
伝家の宝刀の使い方
伝家の宝刀の使い方は、日常会話でよく使用されています。 テレビや漫画などでも目にすることも多いかもしれません。
- 大相撲の横綱が伝家の宝刀である右四つで全勝優勝を果たしました
- 野球の大谷翔平が伝家の宝刀である160キロ後半のストレートで三振を連発
- 「開運!なんでも鑑定団」に伝家の宝刀が登場した
あなたにとっての伝家の宝刀はありますか? 私にとっての伝家の宝刀は、仕事で追い込まれたときに温泉旅館に籠もって食事と風呂以外は仕事に没頭するという切り札があります(笑)
1年に1〜2回は伝家の宝刀を使わざるをえない時期があります(^^;)
伝家の宝刀の語源
語源は、「先祖代々受け継がれている家宝の刀」です。
武家の家系では、戦などで武功(手柄)をあげると主君から、非常に質の高い技術で作り上げられた名刀などをご褒美としてもらっていました。
武家にとって主君からいただいた褒美の刀はまさに家宝です。 そのような宝刀を大事に隠し持って守り継いできたことから、「いざというとき以外は使わない思い切った手段」という意味になったと考えられます。
「伝家の宝刀を抜く」というタイミングは非常事態などでしかありえないということになる。 日頃かた常用している刀は伝家の宝刀とはいいません。
伝家の宝刀の例文
例文をご紹介します。
- うちの家系は農民だったので伝家の宝刀はないが、健康的という宝を授かった
- 漫画の主人公の伝家の宝刀がまったく通用しない悪役が登場して盛り上がってきた
- 伝家の宝刀を取り出すときが来てしまった
- ビジネスマンにとっての伝家の宝刀はプライドを捨てて全力で挑むことである
- 伝家の宝刀があるだけで少し心に余裕が生まれる
- 伝家の宝刀を使わないといけない瞬間はできれば来てほしくない
- 日頃から積み上げておけば伝家の宝刀は眠ったままで大丈夫だ
例文を読むことで、「伝家の宝刀」についての理解度が高まりますよね。
伝家の宝刀の間違った使い方
「伝家の宝刀」は必殺技と勘違いされてしまうことがあります。 必殺技(ひっさつわざ)とは、言葉の意味としては
敵と戦う上で持ち合わせている技術・武器・技などのうちで大打撃を与える威力や破壊力を持つもののこと
となる。 伝家の宝刀は、「いざというとき以外は使わない思い切った手段、とっておきの切り札」なので、意味は少し違いますね。
あくまでも、「いざというとき以外は使わない」という条件つきなので、必殺技というのは強い頼りがいのあるものなので、意外と漫画やアニメなどでは多用されますよね(笑)
むしろ、必殺技は使ってこそ意味があるため、伝家の宝刀とは別として考えてください。
伝家の宝刀の類語
類語をご紹介します。
- 奥の手をもっている
- 切り札を隠している
- 決め技
- リーサル・ウエポン(最終兵器)
- とっておき
- フィニッシュブロー
- 非常手段
伝家の宝刀というのは、言葉の通り、「先祖代々受け継がれてきた名刀」という意味もあるため、一般的には人前に出したりする機会は少ないです。 あくまでも「切り札を隠し持っている状態」というイメージに近いです。
実際に、自宅にある宝刀を人にひけらかしたりすることがないように、切り札も「ここぞ!」という場面でしか使用しませんよね。
「伝家の宝刀」と「諸刃の剣」の違い
「伝家の宝刀」と「諸刃の剣(もろはのつるぎ)」は同じような武器をイメージできますが、言葉の意味はそれぞれ違います。 それぞれのことわざの意味の違いをご紹介します。
- 【伝家の宝刀】いざというとき以外は使わない思い切った手段(とっておきの切り札)
- 【諸刃の剣】一方では非常に役に立つが、他方では大きな害を与える危険もあるものの例え
諸刃の剣(もろはのつるぎ)は、メリットとデメリットが両方存在しているという意味がある。 別の言葉に言いかえるならば、「ハイリスク・ハイリターン」「一長一短」「メリット・デメリット」と表現できます。
さらに詳しい解説は以下の記事が参考になります。
伝家の宝刀の英語
英語では、「play trump card」と表現することができます。 切り札という意味があるため、「トランプ」という英語を使っています。
その他には、最終手段という意味で「last resort」と書くこともできます。
ちなみにGoogle翻訳で「伝家の宝刀」と入力をしたら「Legendary sword(レジェンダリーソード)」という一気にドラクエ感が強くなる英語が表示されました(笑)
伝説の剣として意味は間違っていませんが、文脈をかんがえるとちょっと言葉足らずになりますよね。
まとめ
ちなみに、刀(かたな)の数え方は「一振(ひとふり)」「二振(ふたふり)」と「振り」と数えます。 「振り」とは、刀を振ることから、「◯振」と呼ばれています。
それではおさらいしていきます!
- 伝家の宝刀とは「ここぞ、というときに使う切り札」
- 伝家の宝刀はいざというとき以外は使わない
- 「天下の宝刀」は誤用である
- 類語は「切り札」「奥の手」「最終兵器」
- 英語では「play trump card」
それでは以上になります。 最後までお読みいただきありがとうございました!